〜酒造好適米と、コシヒカリなど食用米との違い〜
酒造好適米とは、酒造り専用に開発されたお米です。
食用米と比べて大粒で、米の中心部に心白(しんぱく:白く不透明な部分)があります。この心白があることで、麹菌の菌糸が米の中心まで伸びやすくなり、麹が作りやすく、醪(もろみ)の工程においても適度に溶けてバランス良くアルコール発酵が進むようになり、まさに酒造りに適したお米と言えます。
また、米の等級が決まる検査企画も異なります。
食用米などの水稲粳(うるち)米は、「一等」「二等」「三等」「等外」の4種類に格付けされます。
酒造好適米は、「特上」「特等」「一等」「二等」「三等」「等外」と6種類に格付けされていて、整粒歩合(粒ぞろい)により細かく区分されています。
平成28年現在、日本国内において酒造好適米は約100品種存在し、石本酒造では、新潟県産の「五百万石」や「越淡麗」、兵庫県産「山田錦」などを使用しています。
越乃寒梅は、雑味が少なく、本来の米の旨みを引き出し、すっきりとした美しくキレの良い味を目指しています。
目指す味を表現するためにも、「米」には並々ならぬこだわりを持っています。
今期の酒造りから、石本酒造では大吟醸酒から普通酒まで全ての仕込みを「酒造好適米」で醸しています。
酒造好適米でなくても酒を造ることは可能ですが、米質の良し悪しはお酒の品質に直結しますので、品種の選定はとても重要です。
良い酒米の条件は、
・粒が大きく、心白がきれいに中心に入っている
・精米しても割れにくい
・雑味になるタンパク質や脂肪分の含有量が少ない
・吸水性と保水性に優れて居る
・ 酒母や醪の中で溶けやすく、糖化されやすい
これら5点が挙げられますが、農作物であるが故に、出来不出来は毎年異なります。越乃寒梅の目指す味はひとつですので、その味に近づけるよう、その年の米質を見極めて対応しながら、じっくりとお酒を醸しております。
酒造りにおいて、同じ日は1日たりとてありません。